連載「不登校と学びの設計図」第10回
「フリースクールにするか、塾にするか」。見学に来られた親さんから、よく迷っていると伺います。
先に答えを書きます。フリースクールは「居場所」をつくる場所、学習塾は「学び」を進める場所です。どちらが上ということはありません。いまのお子さんに要るのが、安心して過ごせる場所なのか、止まった勉強を動かすきっかけなのか。決め手はそこにあります。
ビバ☆マナは学研教室です。フリースクールではありません。そのうえで、この違いをきちんと書いておきたいと思いました。
書いた人:山本 卓司(岐阜開成学院.代表/通信制高校の教員歴27年)
フリースクールとは、どんな場所ですか?
自由に過ごす時間が中心のところもあれば、体験活動や話し合いを大切にするところ、学習の時間をとるところもあります。共通しているのは、「ここにいていい」という安心を、何よりも先に置いていることです。
費用も幅があります。文部科学省の調査(平成27年3月時点、319の団体・施設が回答)では、会費の月額平均が約3万3千円、入会金の平均が約5万3千円でした。10年以上前の数字なので、いまの金額は見学のときに直接確かめてください。
岐阜市には公的な場所もあります。市の資料「岐阜市における不登校児童生徒支援体制」には、子ども・若者自立支援教室や、エールぎふ(岐阜市子ども・若者総合支援センター)、岐阜市立草潤中学校が載っています。民間を探す前に、こちらを知っておいて損はありません。
学習塾とは、何が違いますか?
来る日も、やることも決まっています。学校から離れている子にとって、それが重く感じられるときもあります。一方で、「今日はこれをやった」と言える日が、自分を立て直す足場になる子もいます。
27年、学校に行きづらかった生徒と机を並べてきて思うのは、学ぶことは本人を守る力になる、ということです。わかることが一つ増えると、表情が変わります。だから私たちは、学びの場所であることを手放しません。
ビバ☆マナは、どちらの場所ですか?
開いているのは月曜・木曜の15時〜19時(祝日休み)。学研教室の教材を使い、必要なら小学校の内容まで丁寧にさかのぼって学びなおします。怒られない。比べられない。自分のペースでいい。教室で大事にしているのは、この3つです。
教室では学ぶことを大切にしています。関連団体(ナラティヴ・ラボ)の居場所活動での音楽やアートの活動、アナログゲーム参加は可能です。多くのビバ☆マナ生が参加しています。
やらないことも、はっきり書いておきます。
- 定期テストに特化した指導
- 提出物の計画づくりや管理の代行
- 過去問演習による得点対策
- 在宅を中心にした学習(対面が基本です。週1回の登校と週1回のオンラインの組み合わせはできます)
合わない方に無理にお越しいただくのは、お子さんにとっても、私たちにとっても幸せではありません。ここが違うと感じたら、それも大切な判断です。
出席扱いは、どちらでも認められますか?
文部科学省の通知(令和元年10月25日)では、学校の外で相談や指導を受けている場合に、校長が指導要録上の出席扱いにできる条件が示されています。保護者と学校がしっかり連携していること、その施設に通って相談・指導を受けていること、などです。公的な機関が原則で、そこに通うのが難しく、本人と保護者の希望があって適切と判断される場合に、民間の施設も考慮されます。
ビバ☆マナでは、出席扱いを希望されるご家庭に、学習の記録づくりと学校との連携でお手伝いしています。2026年9月時点で、ご希望のあった1件で在籍校に認められました。ただし、最終的な可否は在籍中学校の校長先生の判断です。くわしくは出席扱いガイドにまとめています。
どちらを選べばよいですか?
まず居場所が合いそうなとき
- 家を出るのがやっと、という日が続いている
- 人に会うこと自体がこわい
- 勉強の話をすると、表情がかたくなる
学びの場所が合いそうなとき
- 外には出られる日がある
- 勉強が気になっている様子がある
- 「わからない」が増えていくことを、本人が不安がっている
いちばん確かなのは、本人の言葉です。「どっちがいい?」と聞くより、見学に一緒に行って、帰り道に「どうだった?」と聞くほうが、本音が出ます。急がなくて大丈夫です。ただ、学ぶことをあきらめる必要もありません。
併用はできますか?
ほかの日は居場所で過ごし、月曜と木曜は教室で学ぶ。そんな通い方をしている子もいます。気をつけたいのは、予定を詰めすぎないことです。ビバ☆マナでは、最初の4週間は量よりもペースづくりを大事にしています。「来られた」こと自体が、最初の手ごたえになるからです。
学ぶ場所としての教材や進め方は教材ガイドに、教室での過ごし方は1日の過ごし方に書いています。安心が学びの土台になる理由は、岐阜開成学院のブログ「中高生の脳にとって“安心”がいちばんの栄養です」でくわしく書きました。
連載「不登校と学びの設計図」
よくあるご質問
ビバ☆マナはフリースクールですか?
勉強がまったく手につかない状態でも通えますか?
費用はどれくらいですか?
通った日は出席扱いになりますか?
毎日通う必要はありますか?
フリースクールと併用できますか?
参考にした資料
- 文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(平成27年3月時点)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tyousa/__icsFiles/afieldfile/2015/08/05/1360614_02.pdf - 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm - 岐阜市「岐阜市における不登校児童生徒支援体制」
https://www.city.gifu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/982/futoukoumap.pdf
不登校支援特化型 学研教室|岐阜開成学院 中学生コース
ビバ☆マナ
学ぶ場所を探しているなら、一度見に来てください。話を聞くだけでも大丈夫です。
月曜・木曜 15:00〜19:00(祝日休み)/ビバコース 月25,000円・マナコース 月19,000円(税込)/岐阜市金宝町(岐阜市文化センターの南正面)


